一般の部
入選 立業社ビル
- 所在地
- 富山市黒崎125
- 建築面積
- 615.4m²
- 延床面積
- 2083.58m²
- 竣工
- 平成22年11月30日
- 建築主
- (株)立業社
- 設計
- 清水建設(株)北陸支店一級建築士事務所
- 施工
- 清水建設・日本海建興JV
講評
印刷関係の本社ビルで二つの特徴があります。一つは省エネに重点を置き、屋上の太陽光パネル、デザインと一体化したライトスルーパネル、LED照明、夏季の地下水利用の空調システムと盛りだくさんです。北陸初のCASBEE Sランク認証という点を評価しました。もう一つは、災害に強い建物ということで、耐震ブレースを設置した地震対策、防潮板設置等の水害対策など様々な災害に備えています。民間の建物ですが災害時、地域の人々に一次避難所として開放するという社会性をもつ建築です。
入選 常願寺川公園トイレ
- 所在地
- 中新川郡立山町利田 地内
- 建築面積
- 42.986m²
- 延床面積
- 42.98m²
- 竣工
- 平成23年3月21日
- 建築主
- 富山県
- 設計
- (有)濱田修建築研究所一級建築士事務所
- 施工
- 松栄建設(株)
講評
富立大橋に至る高架道路側に位置します。巨大なインフラに対して、敷地内の桜の木を避け、繊細なデザインで対峙しています。空気の流れを取り入れるアルミルーバーと、内の気配を感じさせるプロフィリットガラスによる公園に面したファサードの構成。薄い片流れ屋根。小さな公園トイレですが繊細なディテールです。夜間には、駐車場をぼんやり照らすプロフィリットガラスの光など、夜の景観も踏まえた質の高い建築です。
入選 岩瀬スポーツ公園トイレ
- 所在地
- 富山市森5-1 (岩瀬スポーツ公園内)
- 建築面積
- 54.72m²
- 延床面積
- 54.72m²
- 竣工
- 平成23年3月10日
- 建築主
- 富山県
- 設計
- (有)青山建築計画事務所
- 施工
- 花崎工業(株)
講評
コンクリート打放しの壁構造の上部に、木造の切妻屋根が架けられ、周辺の緑の中にひっそり佇む建物です。壁上部の空気を取り入れるためのアルミルーバーと対照的な木製ルーバーが、正面ガラスの内側に設けられ、目線を遮るとともに開放感も与えています。屋根の破風にもトーメイガラスが入れられ外部の木々が内部から見え、屋根架構の木の素材とともに自然の暖かみが感じられる密度の高い建築です。
住宅の部
入賞 A邸
- 所在地
- 富山市西中野本町
- 建築面積
- 456.06m²
- 延床面積
- 498.64m²
- 竣工
- 平成22年12月6日
- 建築主
- 朝日 重剛
- 設計
- (株)おおみ設計
- 施工
- 近藤建設(株)
講評
敷地の西側と南側が県道に接するため、プライバシーの確保と喧騒から住環境を守るために分棟形式で対応しています。道路側にゲスト棟を配し、家族棟の間にプライベートなコートを創りだし、家族棟を開放性の高い空間にしています。閉じられた形式ですが、街に面したゲスト棟は低い塀に囲まれ庭の緑を街に提供し、低く抑えられた外観は、大規模な邸宅をヒューマンスケールにしています。現在、ゲスト棟はゲストルームというより、住み手の様々な思いでの品や、美術品が展示されギャラリーのように使われています。このギャラリーが街に開放されると、より街との接点が増すでしょう。
入選 磯部の家
- 所在地
- 富山市磯部町
- 建築面積
- 87.04m²
- 延床面積
- 154.10m²
- 竣工
- 平成22年5月30日
- 建築主
- 洞口 秀俊
- 設計
- 一級建築士事務所(株)洞口富山支店
- 施工
- (株)洞口
講評
四方が中高層のマンションで囲まれているため、外部から住み手のプライバシーを守るために、最小限の開口部しかもたないコートハウス形式の住宅です。光を取るために中庭に面した開口部も低く抑えられ、適度な暗さを演出するとともに視線の変化を創りだしています。中庭を介したDKとリビングの床高の変化や、リビングの吹き抜けに面した2階廊下の狭い開口部など家族の微妙な気配を感じさせます。現代住宅に日本の美意識を表現した建築です。
入選 剣岳の家
- 所在地
- 中新川郡立山町五百石
- 建築面積
- 106.35m²
- 延床面積
- 126.98m²
- 竣工
- 平成23年3月24日
- 建築主
- 嶋田 眞人
- 設計
- (株)籠田工務店一級建築士事務所
- 施工
- 米井建設(株)
講評
高齢化に向かうクライアントの生活の場は、1階に集約され、バリアフリーになっています。3階分の高さの所にはゲストルームを設け、剣岳の眺望を確保し、生活の中で運動を促進するための仕掛けを創っています。1階はL字型プランで、囲まれた部分にリビングと一体化したデッキテラスを設け、外部の生活を取り込んでいます。リビングのテラスに面した壁を斜めにすることと、天井高を低く変化させてゆくという単純な操作で、パース効果を創りだし空間に変化と豊かさを与えています。
入選 House S
- 所在地
- 富山市千石町
- 建築面積
- 156.09m²
- 延床面積
- 199.97m²
- 竣工
- 平成22年10月10日
- 建築主
- 千代 満
- 設計
- (有)青山建築計画事務所
- 施工
- (株)玉家建設富山支店
講評
西側に幹線道路、北側に生活道路に接した角地に建つ住宅です。コートハウス形式で住宅のプライバシーを確保し、コートに面してDKとリビングを配し、大きな開口部を設けて、光を取り入れ気持ちの良い空間を作り出しています。閉じた住宅ですが、街に対して車1台分の駐車スペースとアプローチ部分に植栽を施し、街に開放しています。アプローチのポーチも木とガラススクリーンで構成され、繊細なデザインの庇が架けられた角地建築として美しい佇まいの建築です。